よく聞くけれど…?脱臼について

 

突然ですが、皆さんの中で「肩が外れた!」という経験がある方はいらっしゃるでしょうか?

 

実際に経験がある方は少ないかもしれませんが、皆さんなんとなく耳にしたことはあるのではないでしょうか。

 

肩を例に出しましたが、身体にあるどこかの関節が外れた状態の事を「脱臼」といいます。

 

スポーツニュースなどで「○○選手、脱臼と診断」という様なニュースも時々ありますよね。

 

つまり、この○○選手はどこかの関節が外れた状態にあるという事です。

 

そんな脱臼。聞き馴染みはありますがどのような怪我なのでしょうか?

 

「脱臼」とは関節面が正常に動く範囲を超えて骨どうしが完全に離れた状態を言います。また関節面の正常な位置関係を失っていても、なお骨どうしが完全に離れてはいない状態を「亜脱臼」といいます。

 

つまり、「脱臼」は関節が外れてしまった状態、「亜脱臼」は関節が外れかかっている状態の事です。

 

ちなみにこの時、関節面の骨折を伴うものを「脱臼骨折」といいます。

 

脱臼は体幹(胴体)に近い骨を基準として遠い方の骨が脱臼した方向によって、前方・後方・側方脱臼などと表現します。

 

多い脱臼では「肩関節脱臼」で脱臼全体の約半数を占めます。その中でも前方脱臼が9割を占めています。冒頭の「肩が外れた!」状態がこの肩関節脱臼で、投球やテニスのサーブなどで起こりやすいとされています。

 

続いて「股関節脱臼」があり、こちらは交通事故の正面衝突でダッシュボードなどに膝をぶつけた時などに発生することが多いとされています。股関節脱臼では後方脱臼が多くなります。

 

脱臼(完全脱臼)では関節の痛みや運動の制限が強く現れ、また、骨どうしが離れるため関節の隙間(関節腔)は空虚となり正常な関節の形は無くなります。

 

脱臼した手足は縮こまって特有の形に固定され、また、その関節を動かされると弾力性のある急な抵抗を示します。

 

脱臼の治療についてですが、もし脱臼が起こってしまったら速やかに整復(元の正常な関節の状態に戻すこと)をしなければなりません。が、くれぐれも自分で戻そうとしたり、専門家でない人に戻してもらったりすることはしないでください。悪化に繋がる恐れがあります。

 

また、特に股関節や肩関節の脱臼では、脱臼後時間が経てば経つほど骨の壊死が発生する確率が高まります。速やかに医療機関にて受診しましょう。

 

整復後はギプスなどで約3週間は固定する必要があります。その後は痛みのケアなどを行っていきます。

 

脱臼の予後は、整復までの時間や骨折の有無、損傷の程度などによって異なります。予後が良くない場合、「反復性脱臼」といって脱臼を繰り返す状態になる事があります。多くは最初の脱臼の際損傷された組織が修復されないことで再発してしまいます。

 

脱臼は様々なリスクを伴います。必ず医療機関へ受診してください。

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投稿者プロフィール

深澤春樹
深澤春樹
【国家資格】はり師・きゅう師
【出身地】松本市
【趣味】音楽(ギター・サックス)・読書
【好きなスポーツ】水泳・ジョギング

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