咳について
咳について
誰しも一度は「咳(せき)」をしたことが
あると思います。
普通に生活をしていて、
なぜ咳が出るのかについて今回は
お話ししていきたいと思います。
まず、咳とは空気の通り道である気道に
異物が侵入した際に、それを身体の外に
追い出すために起こる防御反応のひとつです。
気道への様々な刺激で起こるほか、
痰(たん)を外に出す為にも咳が出ます。
では、まず気道とはどこにあるのか
どんな働きをするのか見ていきましょう!
気道とは、普段の呼吸で吸った空気が
肺に入っていくときの通り道のことを言います。
この空気が通るために管状になっているものを
気管と呼びます。
(大体、正面から自分の喉を触った時に触れる
のどぼとけの辺りから下にかけて存在します。)
気管とは、第6頚椎の高さで咽頭の輪状軟骨の下から垂直に下降する長さ約10〜13cmで、
直径が約2cmの管のことを言います。
(イメージとして、咽頭「いんとう」とは空気の通る気道として、また食物が通る道として共有され、上記第6頚椎の高さで食道と気管に分かれていきます。)
気管は名の通り管状になっており、
その壁は約20個の馬蹄形の気管軟骨とよばれる
軟骨が積み重なって出来ています。
馬蹄形なので、後ろ側は軟骨が欠けており、
そこは膜性壁といい、平滑筋と粘膜だけになります。
気管は胸腔に入ると、心臓の後上方(第5胸椎の高さ)で左右の気管支に分かれます。
✳︎気管支は肺につながる管です。
気管支の特徴として、右の気管支は太くて短く垂直に近く傾斜し、左の気管支は細くて長く、水平に近い傾斜を持ちます。
↑このように左右の気管支では太さや長さ、走行に違いがあるので、誤って気管支に吸い込んだ異物は右の気管支に入りやすいのです。
(イメージとして気管支に異物が入ったときは、むせたり、飲み物が変なところに
入ったと咳き込むあれです。)
これによって起こる肺炎を、
誤嚥性肺炎と言います。
次に、「咳」という防御反応が起こるメカニズムについてお話しします!
まずはじめに、気道には粘膜と呼ばれるものがあり、気道にある粘膜(気道粘膜)には絨毛(細かい毛)とその表面を覆う粘液があり、
粘膜の表面を潤して保護する働きを持ちます。
気道に異物が入り込むと、最初に咽頭や気管、気管支など気道の粘膜は表面にある咳受容体というセンサーがそれを刺激として感じとります。次に、感じ取った刺激は情報として脳にある中枢に伝わります。
中枢に伝わると、横隔膜や肋間筋といった呼吸筋(呼吸を行う筋肉)に作動するよう指令が伝わります。それにより、筋肉や横隔膜に収縮が起こり、咳が起こります。
(この反射を咳反射という)
また、呼吸によって空気と一緒に気道に入ってきたウイルスなどの病原体や埃などの遺物を絡め取ったものが痰であり
これも排出する働きを持ちます。
普段起こる咳は、風邪を引いた時に
ウイルスや細菌を外に出そうとする場合や、
アレルギー性のものから、肺癌などの
重篤な病気まで幅広く起こります。
大体、3週間未満程度で治まる咳は
ほとんどの原因が風邪によるものと
言われております。
当院では咳に対する治療として、
背部へのお灸を特に行っております。
また、免疫力を高め風邪をひきにくい
身体を作るために、足三里へのお灸や
早寝早起きなどの生活習慣を
正して行くことが必要になってきます!
しっかりとした睡眠や正しい食生活などで
風邪を引きにくい身体を作って
いきましょう!!