人体で最強の腱、アキレス腱が断裂したら

 

こんにちは。

 

皆さんの周りには、アキレス腱の断裂を経験された方はいらっしゃいますか?

 

アキレス腱とは、ふくらはぎにある3つの筋

〈腓腹筋(外側頭)・腓腹筋(内側頭)・ヒラメ筋〉

をかかとの骨に付着させる人体で最大・最強の腱のことです。

 

誰もが聞いたことのある腱ではないでしょうか。

 

ちなみに、アキレス腱の名称の由来を調べてみたところ、

ギリシャ神話の英雄アキレスのかかと部分の腱が

不死身を誇っていたアキレスの唯一の弱点であった…ということから

アキレス腱と言われるそうです。

 

いったいアキレス腱断裂とは、どのようなものなのでしょうか。

 

【 アキレス腱断裂 】

アキレス腱が急激に伸ばされたり

強く収縮したりする動作の際に切れてしまうこと

 

<こんなときに起こる>

アキレス腱が伸びた状態で着地した際

後ろに下がってすぐ前に出るような切り返し動作

膝を曲げた状態から急に伸ばすような動作の際に起こりやすい。

 

(例)

・ジャンプの着地時

・体操選手が床運動で床をける動作

・剣道で踏み込んだ後にすぐに振り返って前に出ようとした時の後ろ足

 

<好発年齢>

30代以降の中高年者

 

<原因>

バランスを崩したりジャンプの着地や切り返し動作時のタイミングのずれによるアキレス腱への急激な負担。

中高年者では筋力や柔軟性の低下などがあると発生しやすくなると考えられる。

 

<症状>

切れた瞬間は後ろから棒で殴られたような衝撃や、誰かに蹴られたような感覚と痛みがある。

その後、痛みは軽くなっていくことが多い。

痛みは一般に軽微であるが、歩行は困難。

踵から接地してつま先で床を蹴るような通常の歩行は不可能。

アキレス腱断裂部が陥凹して、下腿三頭筋に力が入らない。

つま先立ちができない。

切れる前の前兆としてアキレス腱に痛みや違和感が生じることもある。

 

<気を付けなければいけないこと>

アキレス腱の断裂は、そのまま放っておいても自然に治ることはないため、必ず医療機関で治療を受ける必要がある。

下腿後面(腓腹筋など)の肉離れと間違われることもあり、正確な診断が必要となる。

 

<応急手当>

つま先を下げた状態(底屈位)で固定し、アキレス腱が引き伸ばされないようにして安静にする。

副子や固定具があればそれらを用いる。

 

<治療>

ギプス固定での保存療法と断裂した腱を縫合する手術療法のいずれかで治療する。

スポーツを行う人は、再発を防ぐために医師から手術をすすめられるケースが多い。

筋委縮や筋力低下の防止を目的に、受傷後早期から物理療法、手技療法および等尺性収縮運動を行う。

腱の縫合状況をみて、自動運動、抵抗運動を開始し、歩行訓練を開始する。

スポーツへの完全復帰は5か月~半年ぐらいかかる。

 

<最後に…>

運動の前にはアキレス腱のストレッチをしっかり行うことで予防に努め、アキレス腱を守りましょう!

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