指の痛み、諦めないで下さい!

 

みなさん、こんにちは。

3週目担当の細井です。

 

12月中旬、クリスマスも近づき、各地で雪が降り

冬、本番ですね。

年末に向けて大掃除を始めた方もいるでしょうか?

 

寒い時期は神経痛だけでなく、関節にも痛みが出易いです。

掃除をする際、肩や腰だけでなく、手や指にも負担がかかり

痛みが出てくることがあるので注意が必要です!

 

そこで今回は、手指の疾患についてお話したいと思います。

手、指に支障や痛みが出る疾患は沢山あります。

 

腱鞘炎・・・ばね指、ドゲルバン病

変形性関節・・・母指CM関節症、へバーデン結節

関節リウマチ・・・ボタン穴変形、スワンネック

抹消神経障害・・・手根管症候群、ギヨン管症候群

骨折・・・舟状骨骨折、橈骨遠位端骨折

 

など、一部ではありますが、さまざまな疾患があります。

 

手指の変形や痛みは、似ているものが多く

どの疾患、どんな状態なのか自分で判断するのは、なかなか難しいです。

 

今回は天寿堂に来院される方で

ばね指、母指CM関節症でお悩みの方が多いので

この二つをご紹介したいと思います。

 

最初に予備知識としてよく耳にする、手の腱鞘炎についてお話しておきたいと思います。

腱鞘炎とは

 

腱鞘(腱の摩擦を軽減する構造)に炎症が生じた状態で

炎症部位での腫れや痛み、運動制限がみられます。

(※腱鞘は補強をしている靭帯性腱鞘と保護してくれている滑液性腱鞘からなる)

 

もっと詳しく言うと

指の曲げ伸ばし運動は、前腕と指をつなぐ筋肉の働きによって行われており

指と前腕をつなぐ筋肉は、となって骨につながります。

そして、指先の運動に伴って、腱が安定性を保てるように

「靭帯性腱鞘」という組織で補強されます。

 

腱が腱鞘の中を行き来することで

指の曲げ伸ばしを滑らかに行うことができます。

(イメージとしては、ベルトがズボンのベルト通しにスムーズに通っていく感じです)

 

手指を曲げ伸ばしする時には、腱が腱鞘の中を往復するように動きます。

この部分の通過障害による炎症を腱鞘炎と言うんです。

通過障害が起こる原因は、腱鞘が厚くなったり、硬くなるためです。

 

腱鞘炎の一種であるばね指は、何らかの原因(手指の使い過ぎなど)で

腱鞘がむくんで厚くなったり、硬くなることで

腱鞘とその中を通っている屈筋腱が擦れ合い、炎症のために腫れてきます。

 

このため、腫れた部分が引っかかって、指を動かそうと力を入れると

「カクン」と弾けるような、跳ねるような状態がおこります。

このように腱鞘に炎症が生じている状態をばね指といいます。

 

それではばね指から、本題へ入っていきましょう。

○ばね指(弾発指 -だんぱつし- )

⑴ばね指ってどんな状態?

腱鞘炎により滑液鞘(腱鞘を保護しているもの)が厚くなり

指の曲げ伸ばしに伴う、腱の滑動がスムーズに行えない状態。

 

炎症が進むと、指を曲げ伸ばししたいのに

曲げきれない!伸びきらない!

バネを押さえつけても、びよーんと弾かれてしまう様な

弾発現象がみられるようになります。

 

朝方に症状が強く、日中使っていると症状が軽減することがあります。

「 痛みはあるけど、使えるし、まあいいか 」と

放っておいてはいけませんよ!

悪化すると、弾発現象が強くでてきたり、指が動かなくなってしまいます。

 

⑵どんな人に多い?

手指をよく使う人に多いです。

特に女性。お仕事に加えて、家事や育児と

手指にかかる負担が大きいためです。

男性でも職業柄、整備作業やデスクワークで手先をよく使う方はなりやすいです。

 

また、年齢が高くなるにつれて腱鞘の組織が硬くなるため

中高年の方が発症しやすいのですが、

糖尿病の方は結合組織に病変を起こしやすいため

更にリスクが高くなります。

(その他、関節リウマチ、透析患者さんも発症リスクが高いです)

 

⑶どこにおこりやすいの?

親指や中指のMP関節(中手指節関節)の掌側に

痛み、腫れ、小さな節のような膨らみがみられます。

薬指、小指、示指にも起こりますし、指先に近い関節にも炎症は起こります。

その人がどんな使い方をしているかで

症状が出る場所は異なります。

 

○母指CM関節症

親指のつけ根のところの関節(母指CM関節)に痛みや変形が生じてきます。

 

物をつまむ動作がやりづらい、力が上手く入らなかったり

ビンの蓋を開けるときなどに痛みを感じます。

症状が進行すると関節付近が膨らんできて、親指が開きにくくなります。

ばね指同様、手指をよく使う方が発症しやすいです。

 

⑴なぜ親指の付け根(母指CM関節)に痛みや変形がでやすいの?

母指CM関節は第1中手骨と大菱形骨という骨がつくっている関節で

母指が他の指と向き合って、つまみ動作がしやすいように

大きな動きができるようになっています。

 

そのため、他の指の関節よりも動く(使う)ことが多く

かかる負担が大きくなるのです。

 

また、使い過ぎや老化に伴って、関節を保護してくれている

関節軟骨に摩耗が起きやすく、進行すると関節が腫れ、

亜脱臼してきて母指が変形してきます。

(※亜脱臼とは関節を構成する骨の関節面が正常な位置関係から乱れるが、一部は接触を保つ状態をいう)

 

母指を捻るようにすると強い痛みがでたり

痛みに伴い、母指が変形してくるのが、母指CM関節症の特徴です。

(手首に起きるドゲルバン病や関節リウマチに症状が似ているので痛む場所等から区別する)

 

⑵変形や痛みを改善する方法は?

整形外科での治療方法としては、消炎鎮痛剤入りの貼り薬を貼ったり、

CM関節保護用の軟性装具を付けるか

固めの包帯を巻いて母指の動きを制限します。

その他、痛み止め(消炎鎮痛剤)の内服、関節内注射があります。

 

それでも痛みや変形が強い場合は、関節固定術や

大菱形骨の一部を切除して靭帯を再建する切除関節形成術などの

手術が必要になります。

 

最近では、手の専門の整形外科ができるほど、手指の痛みや変形に悩む方が多いです。

 

手指の疾患に対しては、安静にすることが重要です。

しかし、使わずにいることは

日常生活を送るうえでは難しく

痛みと付き合いながら過ごしている方も多いのではないでしょうか?

 

「常に痛みがあるからしょうがない」

と、ご自身の指の痛みを諦めないで下さい!

10ある手指の痛みを0にすることは大変ですが

10の痛みが6や5に減るだけで、生活のしやすさ、

生活の質は変わってきます。

 

当院では患部に低周波パットを貼り、通電したり

お灸をしています

 

 

 

痛みの原因は患部だけとは限りません。

腕や首、肩が原因の一つになっていることもあります。

筋肉の緊張を緩和することで関節への負担を減らし、

血流をよくすることで痛みを軽減することができます。

手指を安静に保てるよう、その人にあった固定もつくっています。

 

自分の身体の状態をしっかりと把握し

全身のバランスを整えることが大切です。

鍼灸治療や手技療法を通じて、みなさんの力になれたら幸いです。

 

お困りのことがありましたら、ご相談下さい。

 

 

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